AR(拡張現実)がまだ始まっていないと思う3つの理由

 

AR(拡張現実)とは?

 

現在のAR(拡張現実)を簡単に説明すると、この動画にあるようにモバイル端末をかざすことでその空間内にタグ付けされた情報を表示させるといったもの。セカイカメラなどが日本では著名ですね。最近ではremembARなどは話題になりました。

satchの登場でやっと土壌が整ったのかなといったぐらいですが、まだまだ始まったと言えるまでにはいっていない気がします。理由は以下の3つでしょうか


 

1『かざす』という障壁

 

現状のARアプリは、セカイカメラにしろremembARにしろiPhone/Androidといったスマートフォンアプリです。スマホの登場により実現したAR技術。しかしスマホであることが逆に首を締めています。

それは『かざす』という行為。

結論からいえば”UXの問題”です。モバイル端末を『かざす』という行為は、かざされた側からすれば『”カメラ”を向けられてる』と思うのが一般的でしょう。
カメラを向けられて喜ぶ人間はあまりいません。怒りだす人の方が多いかもしれません。この精神的障壁がARが流行しない原因のひとつといえるでしょう。

 

2アクティビティをうまない=ビジネスになりにくい

 

空間座標に情報タグを残すというだけでは、

アプリを軌道>空間に”かざす”>サービス利用

という一連の作業を何度も実行するでしょうか。現状のARではサービスを利用する動機付けが弱いのです。サービスを構築する際のUXの検証が不十分であることが原因といえます。

ARは、通常のweb/スマホアプリに比べサービス利用までの遷移数が多い分、より強力な動機付けが求められるといってよいでしょう。代替え手段のないそのサービスを使わざるをえない理由が重要なのだと思います。

これを部分的に解決しているのはremembARでしょうか。

“誰と出会ったのか”をfacebook連携を利用しながら画像として記録を残すアプリですが、人の記憶が映像としてある以上、”かざす”行為に対する動機付では一見解決しているかに見えます。動機付としてはよいのですが、

久しぶりにあった友人に対してモバイル端末を向けるという行為自体がユーザーに受け入れられるのか?といった点に疑問は残ります。

アクティビティの有無がwebサービスの収益化の鍵である以上、ARは現状ビジネスとして成り立ちにくいといわざるを得ません。

 

3開発者がまだまだ少ない

 

新分野の技術には常につきものですが、まず開発者が圧倒的に少ないのも始まったといえない理由でしょう。

また開発言語自体も特にこれといったものがありません。satchの登場によりSDKを利用した開発が可能になったことは素直に喜ぶべきですが、satchも利用規約にau oneへの登録が義務づけられている為、個人で開発ができる環境にはない状況です(au one登録は代行業者を利用しなければならない為)。個人的にはこの制限は法人のみとすべきて、個人に対しては制限を外し広く開発者を募った方がAR市況の活況につながるのではないかと思います。

 
以上簡単にARが始まっていないと思う理由をまとめました。

 

ヘッドマウントディスプレイとしてのAR

 

一方で電脳コイルのようにヘッドマウントディスプレイが普及すれば、上記”かざす”という障壁もなくなります。

この動画はブラザー工業が発表したAiRScouter(エアスカウター)のデモですが、このような製品が普及すればAR技術は加速度的に普及するかのではないかと考えます。

アプリケーションとしてはまだまだ前途が厳しいAR技術ですが、開発者が増えUXの問題を解決するサービスが現れた時、O2Oサービスとして非常の強力な分野になるのではと考えてます。

未来に期待ですね。